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第7講「相対論的ドップラー効果」 [相対性理論講義]

今日は相対性理論第7講、ドップラー効果について
講義をしたいと思います。
散々悩んだ挙句
相対論的ドップラー効果の数学的に正確な導出は
省略することにしました。
計算が煩雑なだけで一般の方にはわかりにくいのと
その煩雑さのために本質的理解が削がれるのではないかと
危惧したためです。
ただ、その導出に興味のある人もいるでしょうから
簡単に計算の方法については書いておきたいと思います。

まずは古典的なドップラー効果(高校の物理で習うものです。)について
説明しておきたいと思います。
ドップラー効果の分かりやすい例として
救急車の例があります。

多くの人が経験があると思いますが
救急車の「ピーポーピーポー」という音は
救急車が近付いて来る時は高い(振動数が多い)音で
救急車が離れていく時は低い(振動数が少ない)音になります。
音程が狂って思わず笑ってしまいそう[わーい(嬉しい顔)]になりますが
これがドップラー効果です。
img024.jpgこのドップラー効果を古典的に説明したいと思います。(ⅰ)は観測者が静止していて、音源が動いてきます。この時、振動数は(観測者)/(音源)倍されることは導きませんが、認めてください。(高校の教科書等に説明は載っています。)図のsは音速を表しています。音源が近づくとき音源の速さVだけ届く波長は減ります。そうすると結果として振動数は静止している時に比べて増加します。これがドップラー効果によって音が高くなる古典的な原理です。遠ざかる時に音が低くなる原理も(ⅱ)のように全く同じ方法で説明されます。(ⅰ)(ⅱ)では直線的近づいたり、遠ざかったりする場合を考えましたが一般的に斜めに近づいてくる場合には(遠ざかる場合は分母のマイナスをプラスに変えればOK)(*)のようになります。ここで注目して欲しいことはθ=90°の時はf'=fとなりドップラー効果は起こらないということです。
私も高校生を教える時は大学入試に出るので
二つのものが相対的に近づきも遠ざかりもしなければ ドップラー効果は起こらない
と、教えますがこれは正確ではありません。
観測者と音源を直線で結び
その方向に少しでも近づいたり、遠ざかったりしたら
ドップラー効果は起きますが
そうでなければ起きないということです。
(でも冷静に考えれば、これは相対性に反しています。
静止している時と動いている時で結果が違うというのは
相対性理論を学んだことのある人なら違和感を感じる筈です。)

ところが、ドップラー効果を相対性理論で補正してやると
これは厳密に言うと間違いであることが分かります。
それが横ドップラー効果と呼ばれる現象です。
これは古典物理学では説明できません。
最後の結論にあるようにしθ=90°の場合もドップラー効果は起こります。
(相対的に近づいたり、遠ざかったりしなくてもドップラー効果は起こる)

では高校では全くのウソを教えているかと言えば
そうでもありません。
何故ならβの式(最下段)から分かるように
対象となる物体の速度が光速に近付かない(最低でも一割) 相対性理論の効果がほとんど表れない
からです。
光速は約秒速30万キロです[exclamation×2]
音速でさえ秒速約340mなのです!
音速でやっと光速の100万分の一です!!
音速で飛ぶ飛行機でも相対性理論の効果などほとんど現れません。
ですから、救急車で横ドップラー効果など起こる訳がないのです。
ですから古典物理、すなわち高校で教わるとおりに理解していても
実生活上何の支障もありません。

これから相対性理論によって古典力学を次々に書き換えていきますが
それはあくまでも光速に近くなったときに生じる問題だということを肝に銘じてください。
我々の一般的な生活レベルで考える物理においては
古典物理学で十分に説明がつきます。

この横ドップラー効果を数学的に導くには
相対性理論の二つの式
(第5講ローレンツ変換の最初の①②式です。)
にkx-ωt=k'x'-ω'tを使って式変形をすれば振動数と波長に関する
関係式が出てきます。

次回はいよいよ有名なE=mc*2について説明します。
最後にこれから相対性理論でよく使う式を証明して終わります。
ではまた[手(パー)]
img020.jpg

第6講 ミンコフスキー空間 [相対性理論講義]

前回の補足です。
光速度に近い速さで飛んでいる素粒子は寿命が延びます。
しかもそれは実験で確かめられているのです。
ミュー粒子がパイ粒子からできるニュートリノ振動という現象がそうです。

今日はミンコフスキー空間について講義します。
力学や電磁気学を相対論で書き直さなければなりませんので
本格的に難易度が上がります。
ここからは大学数学も現れざるを得ません。
あまり細かいことは気にせず、結論をしっかり理解して頂ければそれで十分です。

(約束)このブログではワードのように二乗が表現できません。
    何か表現する方法があるのかも知れませんが…
    今のところ分かりませんので、ベーシックと同じように
    2の二乗は 2*2とアスタリスクで書くことにします。
    分かりにくいので極力紙に書いて表現をするようにしますが

先に有名なE=mc*2について書こうとも思いましたが、
ここでミンコフスキー空間の基本を導入した方が後々わかりやすいと思います。

ミンコフスキーはチューリヒ連邦工科大学の数学者で、
若きアインシュタインも学生として講義をとっていたそうです。
一般相対性理論で行き詰っていたアインシュタインが突破口としたのも
このミンコフスキー空間です。
ミンコフスキー空間ですと、イメージしにくい相対性理論も非常に理解しやすいです。
ただ……
そのミンコフスキー空間を理解するのが一般の方にはやや難解なのですが[がく~(落胆した顔)]

img010.jpg
まずは距離について考えたいと思います。私たちが普段使っている空間の次元だけですと左図のように三平方の定理で距離が与えられます。これは何次元でも同じです。二点間の座標の各成分の差の二乗の和のルートが距離になります。しかし空間の他に時間もvisual化できないか、そう考えたのがミンコフスキーです。そこでcτ=tというt(cは光速、タウは時間ですのでtは分かりにくいですが距離の次元です。)を使って虚数軸を導入して左図のように時空4次元を定義しました。
最初は難しいので簡単な例でミンコフスキー空間を扱う練習をしてみます。


4次元空間の点(x,y,z,t)を世界(world point)といい、粒子の運動を世界線(world-line)というベクトルで図示します。単純な一次元運動についてxとt(時間ではなくcτ=tであることに注意)をグラフにします。
イメージできるでしょうか?
img011.jpg①は時間とともにx軸正方向に前進しています。②は途中で戻ってきます。
③は光速で粒子が前進した場合です。cτ=tですのでcτ=xとなるからです。これが重要です。そうすると④が光速でx軸負の方向で移動していることが分かると思います。実はこのミンコフスキー空間の素晴らしいところは過去も記述できるというところにあります。ここでは分かりにくいのでtが正の場合だけを書いています。そうすると、粒子の動ける範囲が光速度不変の原理より⑤の赤斜線部に限ることが示されます。これについて詳しく説明します。仮にt=1/2xという直線があるとすると、これはx=2t=2cτになり速度が光速の二倍になってしまいます。これは光速度不変の原理に反します。
ですから⑤の範囲以外に粒子は存在できません。この考え方が後々大切になります。
最後の⑥の図は(x,y,t)で考えると、粒子の動ける範囲が円錐状になることを示しています。
これを光円錐(light cone)と呼びます。

今日はこの辺でおしまいです[手(パー)]
次回はミンコフスキー空間を使ってローレンツ変換を記述し、
ドップラー効果を相対性理論で記述し直します。
このように相対性理論で古典力学を一つ一つ修正しなければなりません。
逆に言えばそれだけ相対性理論が素晴らしい理論だということです[わーい(嬉しい顔)]

第5講 ローレンツ不変性 [相対性理論講義]

久々に相対性理論講義です。
忘れてしまった方は前4回を復習してから読んで頂くと分かりやすいです。
数式が分からない方にも、結論やまとめは分かりやすく
書いてありますので、その部分だけでもしっかり読んで頂ければ
相対性理論の心はご理解頂けると思います。

前回はローレンツ変換を導き、
時間が空間と同等であることを示しました。
私たちは空間3次元、時間1次元を合わせた
少なくとも時空四次元にいるのだということが分かりました。
少なくともと言うのは、実は次元は更に多い可能性があり、
私もそのように考えています。
しかも相対性理論は4次元だと限定した訳ではなく、
時間も次元なので最低我々は4次元の世界住んでいるというわけです。
相対性理論は特別な次元を要求していないので、何次元であっても成り立つのです。
この普遍性と、一般相対性理論の見事な対称性(美しさ)が相対性理論の醍醐味なのです。
今回から徐々に難しくなります。
細かく分けて丁寧に講義していきますので何とかついてきてください。
その努力に見合った美しさを相対性理論は見せてくれます。

私たちは空間と時間を別々に考えることに馴れてしまっています。
光速度不変性もなかなか馴染みがありません。
私たちの世界がローレンツ不変性
(ローレンンツ変換をほどこしても物理法則は成立する。)を持っている
ことによって常識的な感覚では考えられない事実を知らされるのです。

①天下無敵のダイエット:楽して痩せられます
ローレンツ収縮という現象について説明します。
数式が分かりにくい方に結論を先に書いておくと、
等速度で動いている人と静止している人とがいる場合
お互いの長さ(この場合、体の横幅)が縮んで見えます。
つまり、お互いがスリムに見えるのです。

自転車で走って相手の前を通過する
これが天下無敵のダイエットです[わーい(嬉しい顔)]

最も光速に近い速度でないと効果はあまり現れませんが[たらーっ(汗)]

まず、長さと位置について説明します。
一般に我々が使っている座標は(x,y)のように
位置を表します。
ですから、長さを座標で表す為には二点の座標の差で表すしかありません。
そこで、下の囲みのように⊿(デルタ)を導入します。
090408_093824.jpg左の図は図自体がローレンツ収縮して縮んでいます。(洒落で縦長にしてみました。見にくくてすみません。)走っている人から見ても、止まっている人から見ても(これが相対性の意味)お互いに縮んで見えてしまうのです。これを式で説明すると左図のようになります。前回から強調しているように、静止した座標系Sとそれに対して速度Vで等速度運動している座標系S'で時間が異なるのがポイントです。
長さに関しても座標と同様にローレンツ変換の式が成立し(*)のようになります。ここで一番難しいのが⊿t=0です。これは、静止している人が長さを測るときに時間変化がないということです。長さを測るのに時間をかけないものだと単純に考えてくださって結構です。例えば身長180cmという時に、それを測り始めた時間と測り終えた時間を考えても意味がないのと同じです。特に同じ座標系にいれば時間に依存して長さは変わりません。これが分かれば左のように長さが縮むのも明らかです。相対性が成り立つのは次の写真の上段に説明してあります。


②寿命が延びるんです

相対性理論によると見かけの寿命が延びます。
私はいつも電車に乗ることが多いので、普通の同じ年
の人より若いんです[わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)]
な~んていうのは冗談です。これも光速に近くないと
実際はほとんどその効果は見られません。
090408_093901.jpg左の図の中段にあるように、ローレンツ変換の②式から見かけの寿命が延びることが証明されます。逆変換の方が分かりやすいので、逆変換で説明してあります。つまり等速度で動いている人の気持ちになって考えてください。そうすると先程と同じように時間と長さは今は関係ないので⊿x'=0で寿命の延びが証明できます。最後に相対性理論で相対速度を正確に定義し直しておきます。それが下段の「相対速度」です。証明は微積分が分からない人にはきついと思いますが、基本的に速度は単位時間当たりの距離(長さ)の変化なのでこのようになります。ガリレオの相対性原理のまま(v1+v2)では、光速cに何を加えても、光速を超えてしまい矛盾するのです。











最後に光速が絶対速度であることについて説明しておきます。
よく本には私が最後に導いた相対性理論による相対速度を
使って光速より速いものがないことを説明していますが、
冷静に考えればおかしな話です。
そもそも光速が絶対速度であることを仮定して、ローレンツ変換を
導いたのですから、その式で光速度を超えないことを証明しても
意味がありません。
ですから私はその証明は講義ではしませんでした。
最初の写真の三つ目のγ(ガンマ)の式でVがcを超えるとルートの中身が負になります。
それ自体で矛盾するのでわざわざ式変形で示すまでもないのです。
因みにこの光速を超える(虚数解になりますが)仮想粒子をタキオン粒子と
呼んでいます。勿論、このような粒子は見つかっていません。

ではなぜ光速が絶対速度なのでしょうか?

実は光速が絶対速度と言うより、秒速299792458mが絶対速度なのです[exclamation]
これを超えられないことも相対性理論で証明できます。
またいつか講義で書くと思いますが、光速に近付くと質量はどんどん増えます。
ですから質量を持つ物体は実際には秒速299792458mまで加速できません。
質量が大きすぎて加速できなくなるのです。

では秒速299792458mまで加速できる物質とはどんな物質でしょうか?
それは質量0の物質です。
質量が0ならば、加速しても質量は増えません。
これは光が質量が0である証明でもあります。
光に限らず質量0のものは秒速299792458mまで加速できるのです。

そこで考えてみてください。
光速を超える為には質量がどのようにならなければならないか?

これはすぐにわかると思いますが
光速を超える為には質量が0より少なくなければなりません[exclamation×2]
そんな物質はこの世にあるでしょうか?
そんな物質はあるわけありません。(あっても感知できないので、「ない」というのです)

ですから、光速は絶対速度なのです。
質量の最低が0という限界を持っているので
速度にも限界があるのです。
その速度が秒速299792458mなのです。

以上の説明より
光速が絶対速度であればローレンツ不変性が成立し
ローレンツ不変性が成立すれば相対性理論が成立するのです。

(オマケ)
相対性理論を利用した論文は現在までに4万を超えるという話ですが、
その中で相対性理論に当てはまらない結論は一つも見つかっていません。
相対性理論は我々の身近なところにも(GPSなど)使われています。
このような我々の世界観として重要な相対性理論を
難しい面もありますが、是非理解して頂きたいです。
それではまた[手(パー)]

第4講 ローレンツ変換と4次元 [相対性理論講義]

前回までで特殊相対性理論について理解する
道具は全て揃いました。
今回はその根幹を成すローレンンツ変換を導きます。
中学三年程度の数学力があれば理解して頂けるように
私が予め難しい部分を簡単にしてあります。
しかも、正確性を損なわないように説明します。
頑張ってついてきてください[exclamation×2]
今日は写真が沢山あります[わーい(嬉しい顔)]
それでは始めます。


090306_093538.jpg
今からローレンツ変換を導きます。必要な式はガリレオの相対性原理と光速度不変の原理です。まずは相対性原理について、説明します。左のように座標を二つとります。ひとつは地上から見た座標S、もう一つは速度Vで右側に等速運動する座標S'です。これは電車を想像して頂ければ分かりやすいと思います。ローレンツ変換とはこの地上から見た座標を電車から見た座標に変換することです。即ち私たちの目標はx'とt'をxとtで表すことにあります。ここで注意して頂きたいのは前回の講義の「同時刻」で述べたように、二つの時間tが異なるのがポイントです。ですから、tとt'に区別しています。(図1)はSから見たS'、(図2)はS'から見たSの関係を表しています。そうすると図から①、②式が導かれます。ここで伸び率γというものを導入したのがアインシュタインの素晴らしい発想です。これはγ=1、t=t'の時に相対性原理を満たしています。
090306_093005.jpg
次に光速度不変の原理ですが、光は一定速度ですので、(距離)=(速度)×(時間)が成立し、③、④のようになります。この時も座標によって時間が異なることに注意してください。
この相対性原理と光速度不変を使って、まずは伸び率γを決めにかかります。そうすると左図のようにγが求まります。この式を⑤とします。












090306_093307.jpg
これで、第一の目標のx'が求まります。今度はこれを使ってt'を求めます。左の図のように代入すれば求まります。式がごっついですが、式変形自体は簡単です。この計算で求まった⑥、⑧を合わせてローレンツ変換といいます。アインシュタインも他の本もかなり難しく導いています。この導き方は、私が高校一年の地理の授業中に思いつきました[わーい(嬉しい顔)][手(チョキ)]
私は相対性理論の本を全て知っている訳ではないので、もっと簡単な方法があるのかも知れませんが、この説明はこれ以上ないくらい簡単ではないでしょうか。








090306_093126.jpgここで、時間についてもう少し深く考察してみましょう。左の図の(第4の次元)の所をみてください。ローレンツ変換に出てくる沢山の分数が見にくいので、Tとβとおいて式を簡素化します。そうすると、⑥は⑨のようになり、⑧を変形すると⑩のようになります。この⑨と⑩が式として対等なことが衝撃です[exclamation×2]
つまり、時間も縦、横、高さのような一つの次元なのです[exclamation×2]
ですから我々は三次元の世界に生きている訳ではなく、時空4次元に生きているのです[ひらめき]これが最初の相対性理論の驚くべき結果です。我々は時間は流れていくように感じますが、実は違います。いつか説明しますが、我々が、熱力学の不可逆過程のエントロピーが増大する様を時間があたかも流れているように解釈しているだけなのです[exclamation×2]こうなるとタイムマシーンの持つ意味も変わってきてしまいます。これは別のブログのコーナーで説明します。

(まとめ)
特殊相対性理論は1905年に発表されましたが、この世界が時空4次元であること
はなかなか定着していないようです。
ドラえもんの4次元ポケットもそうです。
皆さんのポケットも4次元ポケットなのです。
相対性理論を学んだドラえもんは次のように書き換えられるのです[わーい(嬉しい顔)]

のび太「ドラえも~ん、[もうやだ~(悲しい顔)]またジャイアンにいじめられたよ~。4次元ポケットで何か出してよ~」

ドラえもん「4次元ポケット?君も持ってるだろ?」

のび太「何言ってるんだよ~、意地悪しないでよ~」

ドラえもん「う~ん、僕のポッケに入っているのは渋谷でもらったティッシュと小銭くらいなんだ」
      「でも、一応やっておくか…」

タラララッタラ~ン[ぴかぴか(新しい)]

ドラえもん「100円だ~ま~[exclamation]。これでアイスでもジャイアンに買って行って許してもらえば?」

のび太「相対性理論のバカ、バカ、バカ~」


また昔のマンガのセリフ
「ハハハハハ、貴様は4次元空間に迷い込んだな」
↑これはただの迷子です[わーい(嬉しい顔)]
サービスカウンターで連れの方が来るまでお待ちください[わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)]

このように相対性理論によって様々な漫画は書き直されるのです。

でも実はこの世界は4次元ではないと私は思っています。これは超弦理論を学べばわかります。
最新の物理です。超弦理論を使った次元の解を求める方法を私は高3の時に導きましたが、
それが今の時代になって除除に認められ始めているのは嬉しいことです。

次回はローレンツ変換を使って、相対性理論から導かれる更に
不思議な話について講義します。[わーい(嬉しい顔)][手(パー)]


第3講 光速度不変の原理 [相対性理論講義]

前回の軽い復習から入ります。
前回は相対速度の考えを学んでいただきました。
ここがかなり大切なので復習してから
今日の授業に入ります。

時速40㌔の電車の中で時速80㌔で進行方向に向かって
球を投げます。
これを電車の中から見ると時速80㌔で変わらないのに対して
電車の外から見ると40+80=120㌔に見えるのです。
ここまでは大丈夫でしょうか?

相対速度とは観測者が何か等速で動くものに乗って、感じる速さです。
上の例では80㌔が相対速度にあたります。
(相対速度)=(自分の速度)ー(相手の速度)ですので、
地面から見た球の速度(自分の速度)を出すには、上の式に
80=Xー40でX=120㌔となります。

簡単に言うと速度の足し算ができるということです。
ところが、アインシュタインは光の場合は速度の足し算が
成り立たないのではないかと思ったのです。

(光速度不変の原理)
アインシュタインは自分の16才の頃に感じた疑問
即ち、光を光速で追いかけたらどうなるのか?
について驚くべき発想で答えることになります。
それが「光速度不変の原理」です。

光速こそが絶対速度(座標系に依存しない)で
他のものは相対的だというのです。
この観点から世界を見ると今までの「当たり前」が
「当たり前」ではなくなります。
例えば「時間」も相対的になります。
時間は観測者の位置によって異なるのです!
また、相対性理論は時間の概念自体を変えてしまいます!!
これらの楽しいお話は、数学的な証明と共に
順番にやっていきますのでお楽しみに[わーい(嬉しい顔)]

ここでよくアインシュタインの本にでる
マイケルソン・モーリーの実験についてお話しておきます。
この実験は地球の公転面に対して水平に光を発した時と
垂直に光を発したときで速度が変わらなかったという実験とされています。
これは、最初に復習した速度の足し算を思い出してください。
光の速度が座標系によらず一定でなければ
地球の公転面に対して水平に光を発した時と
垂直に光を発した時では、前者では地球の公転速度が足されるため
光速が速くなるはずなのです。
しかし、変わらなかった。だから光速は一定であると多くの本には書かれていますが
事実は少し異なります。アインシュタイン自身もこの実験のことはそんなに詳しくはなく
ここから着想したのではないことを自叙伝に書いています。
アインシュタイン自身もうまくはいきませんでしたが、光速度一定に関する
実験をしており、他にも13の様々な人の実験がアインシュタインの論文には
載っていて、特にマイケルソン・モーリーの実験だけが特別だったわけではありません。
しかも光に関してニュートンは粒子だと考えていましたが、
それ以後アインシュタインが現れるまでは、
光は波であるというのが定説でした。
実際に我々が日常見る光は波として振舞いますので当然と言えば
当然です。マイケルソン・モーリーも波と考えて波の干渉実験のつもりでした。
しかし、干渉が起こらない(干渉は位相差がないと起きません)ので
おかしいと思っていたのです。(光速度が不変だから速度の差がなく干渉が起こらないのです)
それがアインシュタインの論文に掲載され、光速不変の証拠のように取り上げられるように
なったのです。アインシュタインは光は粒子だと考え、光電効果を発表しました。
それでノーベル賞を貰ったことは第2講で述べました。

光速度不変の原理を認めると
様々な我々の常識的な感覚とは合わないことが起きてきます。
今日は同時刻について考えます。
ここでついに初写真導入です[exclamation×2][ひらめき]
これからはブログに写真もいろいろと
取り入れていきたいと思います。
次に説明する内容の重要ポイントを先に言っておきます。
ポイントは、
光速より速いものは存在しないので光は速度の足し算ができない
ということです。

(同時刻とは?)
090225_172639.jpg
左に電車の絵があります。その中心には光源があり、この光が左右の壁に到着する時間が、観測者が電車の中にいる場合と外にいる場合で異なることを示します。まず(図1)は観測者が中にいる場合です。光の速さをc、電車の速さをV、電車の中心から壁までをL、とします。(図1)の両端の壁につく時間は当然、(時間)=(距離)÷(速さ)で左図1のtになります。
次に観測者が外にいる場合(図2)、光が右壁につく時間をt1とすると、その間に電車もVt1進む(斜線部)ので、実際に光が進まなければならない距離はL+Vt1となり、図から①の時間が導かれます。同じように左の壁は今度は近づいて来るわけですから、下段の図から②が導かれます。ここで①と②を比べると①の方が長くなってしまう(分母が小さいから)のです!これは座標系(場所)によって、時間は異なるかもしれない!!ということなのです。

補足)
先程の図2でもし光にも速度の足し算ができれば、
相対速度を考えて光が右に行く速度はc+V(この講義の最初の例を思い出してください)
左に行く速度はc-Vになるのです。
そうすると同じ式を書くと
(c+V)×t1=L+V×t1
(c-V)×t2=L-V×t2
となりこれをt1、t2について解くとt1=t2でちゃんと同時刻になります。しかもこの時間は観測者が
電車の中にいる(図1)とも同じになるので、すべては「同時刻」なのです。
ところが、光速には速度の足し算が成立しないので、
観測者の場所(座標)によって時間がかわるのです。


光に速度の足し算ができないと、こんなに不思議なことが起こるわけです。
凄く速い乗り物に乗っている人と地上にいる人では時間が違うのです。
不思議だとは思いませんか?
相対性理論が分かれば、これは当たり前になります。
これからも不思議なことが沢山起こるので楽しみにしていてください。
次回はローレンツ変換を講義します。最大の山場なので、よく復習しておいてください[わーい(嬉しい顔)][手(パー)]


第2講 相対性理論前夜(ガリレオの相対性原理) [相対性理論講義]

今回はガリレオの相対性原理について
書きたいと思います。
これは、比較的理解しやすいと思います。

その前にざっと今後の展開等について
書いておきます。

相対性理論についてしっかりとした本が読みたいという
方には
「特殊及び一般相対性理論について」 アインシュタイン著、金子務訳 白楊社
「相対性理論入門」 内山龍雄著、岩波新書
がおススメです。
特に後者は著者がこの本で相対性理論がわからなければ
一生わからない、と豪語している本です。
しかし、このブログでは更にわかりやすく説明していきたいと思います。

相対性理論の一つの山が
「ローレンツ変換」です。
これを理解できれば、相対性理論はかなり掴めます。
そのローレンツ変換はアインシュタインが考案した簡単な導出法
や、先ほどの文献でのわかりやすい導出法
がありますが、このブログでは更にわかりやすい
ローレンツ変換の導出方法を示したいと思います。

アインシュタインの相対性理論には
特殊相対性理論と一般相対性理論がありますが、
この講義では特殊相対性理論から説明します。
この特殊相対性理論さえ分かれば
今までの自分の世界観はそれだけで一変すると思います。
その後に一般相対性理論について講義をしますが、
これは、一般の方には数学的に難解だと思われます。
ですから、一般相対性理論はマニア向けだと考えてください。
一般相対性理論の方は私が書く解釈だけでも、理解して
頂けたら嬉しいです。

それでは講義を始めます。

(1905年奇蹟の年)
アインシュタインは大学を卒業後、助手の職がなく、
1902年に特許局の職員の仕事につきました。
この仕事の合間に(かなり暇な仕事だったそうですが)
三つの論文を書きあげ、1905年に発表します。
しかも、この三本の論文はどれも一級の論文です。
後に1905年は奇跡の年と言われます。
時系列で追うと
3月17日 光量子に関する論文(光電効果)
5月11日 ブラウン運動に関する論文
6月30日 特殊相対性理論の論文
と、なっています。

後にアインシュタインは光電効果でノーベル物理学賞を貰います。
意外なことに彼を有名たらしめた相対性理論での
受賞ではありませんでした。
これはノーベル賞が理論物理には厳しいからです。
理論はしっかりと実験で確認され万人に正しいと
認められるまで ノーベル賞はくれません。
昨年のノーベル物理学賞をもらった三人が30年以上前の
理論でもらったのと同じです。
ですから、理論物理でノーベル賞をもらおうとしたら
長生きしないともらえません(笑)

光電効果とブラウン運動に関するアインシュタインの業績については
何かの機会に触れたいと思っています。

(赤信号で止まれますか?)
物理学は私たちの常識的な感覚が
いかに狂っているかを
教えてくれます。

赤信号で止まる、ということを
考えてみましょう。
止まるというのは何に対して止まるのでしょうか?

そもそも私たちは西から東へ
地球の自転のせいで時速1600㌔というスピードで
動いています。
その地球は太陽の回りを動き
太陽も銀河の中を動き……
絶対的な静止というのはあり得ないのです。

赤信号で静止するというのは
赤信号との相対速度が0になるということです。
相対速度=(自分の速度)-(相手の速度)で与えられます。
まず、このことをしっかり頭に入れておいてください。

電車が二台並走している
時に、止まっている錯覚に陥ったことが
ある人もいると思います。
それは一時的に同じ速度に
なった為に相対速度が0になり
静止しているように感じられるのです。

実は今まで話してきたことがガリレオの相対性原理です。
我々は相対的な運動はわかるが絶対的な運動はわからないということです。

式で説明すると
相対速度=(自分の速度)-(相手の速度)でした。
今、一定速度Vで動いている自転車の上から速度vの電車をみたとします。
そうすると相対速度v’=vーVで見えるわけです。
地面から見た座標系をS、自転車からみた座標系をS'とします。
そうすると、それぞれの速度は違いますが、
加速度(速度の増加の仕方)は変わらないというのがガリレオの相対性原理です。

地面から見て時速10km増えると
自転車から見ても時速10km増えます。
至極当然のように感じるかも知れませんが
これが大きいのです。加速度が座標系によらないとすると、
ニュートンの運動方程式F(力)=m(質量)×a(加速度)も座標の取り方に
よらずに成立します。

そうすると第1講で書いたニュートン力学が
あらゆる慣性座標系(等速度で動く座標系)で成立するのです。
つまり、物理法則はあらゆる慣性座標系で同じに書ける
というのがガリレオの相対性原理です。
等速度で動いている乗り物でも、地面からでも、物理法則は同じなんだ
という大切な原理です。

ここで光についての基礎知識を書いておきます。
(光についての基礎知識)
光は秒速299792458kmの「定義量」です。
実は1mは現在では光の速度から定義されています。
これも相対性理論の功績の一つです。
それまでは赤道から北極までの距離の一万分の一を
1mとしていました。フランスにそのメートル原器があり、
日本にもレプリカがあります。
我々は光(可視光線)でものを見ています。
つまり、ある物体が発する(もしくは反射する)光を
網膜に映して物を見ています。
従って
遠くを見ること=昔をみること
になるわけです。

例えば太陽の光が地球に届くまで
約8分20秒かかります。
ですから、我々はいつも8分20秒前の太陽を
見ていることになります。
もし、今太陽が爆発しても8分40秒間は気付かないわけです。
(最も太陽が爆発したら我々は消滅していますが)
同じように一光年先の星を見ることは
その星の一年前の姿を見ていることになるのです。

従って、宇宙の始まりに近い状態をみたければ
遠くをみればいいわけです。
実際に世界中で「遠くをみる」研究がなされています。

(物語の始まり:16才の少年の疑問)
アインシュタインは16才の頃
次のような問題を考えました。

光を光の速度で追いかけたらどうなるのか?

先ほどの相対速度の考えを使うと
相対速度=(自分の速度)-(相手の速度)
ですから、(光速)ー(光速)=0で光は止まって見えるのでしょうか?
しかし、我々は光で物を見ているはずです。
止まった光は自分の目まで届きませんから
何も見えないのでしょうか?

この疑問にアインシュタインは驚くべき発想で
答えることとなるのです。
これについては次回のお楽しみです。

次回は時間について、ローレンツ変換とともに
講義したいと思います[わーい(嬉しい顔)][手(パー)]

第1講 相対性理論前夜(ニュートン力学) [相対性理論講義]

(はじめに)
これから相対性理論について講義していきたいと思います。
複雑な数式は
このブログでは打てませんので
私が字で書いたものを写メで撮ったものを載せるという
荒業を使わせて頂きます。
数式を追うことは中々数学の素養がない場合にはつらいと思います。
その際は私の解釈を書いておきますので
その部分だけしっかり読んで頂けば内容は理解できると思います。
ただ、本質的に心から得心して頂くには、やはり数式で説明せざるを得ません。
私にはその辺の大きな葛藤がありますが、
諦めずに最後までついてきて頂ければ幸いです。
それでは、相対性理論が生まれる前夜のお話から、始めたいと思います。
パチパチパチパチ(拍手)

(古典物理学と現代物理学)

物理学は大まかに古典物理学と現代物理学に分けられます。
古典物理学…19世紀までの物理学
現代物理学…20世紀以降の物理学
                           です。
古典物理学は主に高校まで習う物理学で、
「力学」「電磁気学」「熱力学」「波動」に分けられます。
それに対して現代物理学はこの講義の主役「相対性理論」や「量子論」です。
これらを一つ一つ議論することはこの講義の主旨にはずれますので、相対性理論に関わりのある部分だけ、概略を講義します。

今回はまず「力学」についての大まかな話したいと思います。

(力学)
「力学」は17世紀ニュートンが創始したもので、彼の著書「プリンキピア」で大成をみた学問です。
     「プリンキピア」は現代の人にとっては非常に読みにくくなっているかもしれません。
     興味のあるかたはノーベル賞学者のチャンドラ・セカールが講義した本が市販されて
     いるのでお読み頂ければと思います。(ただ、びっくりするくらい本としては高いです。)
     ニュートンは力学の法則を三つにまとめました。
     ①慣性の法則
     ②運動方程式 F=ma
     ③作用反作用の法則
     また、ニュートンは運動を記述するために、微積分学を築きあげました。有名な万有引力も
     彼がケプラーの法則の逆問題を数学的に解き、発見したものです。
     (決して林檎の落下から発見したものではありません。)
     このニュートン力学は大成功を収めました。天体の動きを予想できたり、物体の運動を予想
     できたり、彼の理論で現実に起こることが次々と予想され、現実にそうなってきたのです。

     ここから、科学に決定論的な考え方が生まれます。
     自然は数学の言葉で書かれているのだと。
     わかりやすく言うと、自然の中には何かの法則があり、それを我々が見つけ出せない
     だけで、その法則さえ発見すれば、 全てのことは予想可能だ、というのが決定論です。 
     ここでは省略しますが、この決定論は当時の哲学等々に多大な影響を与えました。 
     また科学が大成功を収めた為に、他の学問もこぞって~科学という名前をつけだしました。
     人文科学、社会科学、人間科学など本来サイエンスとかけ離れた学問まで科学を
     つけました。それだけ「科学」という言葉には権威があったのです。
     しかし、この権威が裏目にでることになるのです。ニュートン力学以降決定論的思想に支配
     され、物理学は200年近く停滞を続けます。
     その固く重い扉は1900年に入ってから綺羅星のごとく現れる若き天才たちによって、
     開かれるのです。
     その中に本講義の主役アルバート・アインシュタインも登場します。
     
     この決定論的支配の余波は現在でさえも見られます。
     地震や天気予報が科学が進めば予知できるようになると思っている人はいませんか?
     それはどんなに科学が進んでも無理なのです。これは本講義の内容から大きく外れます
     のでまた他の機会に話をしたいと思います。
     また、評論や哲学によって未だにこの決定論を持って科学のことを非難する方もおりますが
     その方が非難している科学は、はるか昔のものなのです。
     科学がこのような決定論と決別して100年以上の歳月がたっている訳です。
     それでも、この決定論で科学を誤解されている方が未だにいるのは
     非常に残念なことです。
     裏を返せば現代にも爪痕を残すぐらいニュートンの仕事は偉大であった訳です。
     この辺りの誤解もこの講義の中で無くしていければと、思います。
     
     逆の誤解を持たれても困るので先に書いておきますが、
     相対性理論が正しくてニュートン力学が間違えている訳ではありません。
     理論には階層性があります。我々が生活している大きさや速さのレベルではニュートン
     力学が十分成り立っています。車も電車もニュートン力学で動いています。
     光速に近い速度や質量が非常に大きい場合(天体など) になると、
     ニュートン力学では説明のできないことがでてきて、それを説明できるのが相対性理論だと
     考えてください。因みに量子論は非常に小さな世界(原子レベル以下)で成り立ちます。
     ニュートン力学で記述できない、ミクロの世界を記述するのが量子論です。
     想像がつくと思いますが、量子論と相対性理論の間にはかなりの溝があります。
     その溝を埋めようと様々な理論が考えられていますが、まだ現在のところうまく
     いっていません。これに関して私自身もアイデアをいくつか持っていますが、
     まだ確信を得るには至っておりません。
     先ほど理論の階層性について書きましたので、
     別に非常に大きなマクロで成り立つ相対性理論は相対性理論
     ミクロで成り立つ量子論は量子論で
     統一などせず、別々に使っていればいいのではないかと思われる
     賢明な読者もおられるかもしれませんが、事態はそんなに単純ではなかったのです。
     それは何かといえば、ビッグバンです。
     ビッグバンは微小な点(量子論的)に莫大な質量(相対性理論的)
     を持って起こるわけです。
     それを記述するには、量子論と相対性理論の矛盾をなんとか
     しなければなりません。
     宇宙がビッグバンで始まったとしたら、一体どのようにな理論で
     描かれるのでしょうか?
     ニュートン力学や相対性理論、量子論をも包括する理論が
     存在するのでしょうか?
     興味のある方は是非チャレンジして頂きたい
     大きな難問です。
     
     今日の講義はこれでおしまいです。[わーい(嬉しい顔)][手(パー)]
     次回は相対性理論前夜(ガリレオの相対性原理)を中心にお話したいと思います
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