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第7講「相対論的ドップラー効果」 [相対性理論講義]

今日は相対性理論第7講、ドップラー効果について
講義をしたいと思います。
散々悩んだ挙句
相対論的ドップラー効果の数学的に正確な導出は
省略することにしました。
計算が煩雑なだけで一般の方にはわかりにくいのと
その煩雑さのために本質的理解が削がれるのではないかと
危惧したためです。
ただ、その導出に興味のある人もいるでしょうから
簡単に計算の方法については書いておきたいと思います。

まずは古典的なドップラー効果(高校の物理で習うものです。)について
説明しておきたいと思います。
ドップラー効果の分かりやすい例として
救急車の例があります。

多くの人が経験があると思いますが
救急車の「ピーポーピーポー」という音は
救急車が近付いて来る時は高い(振動数が多い)音で
救急車が離れていく時は低い(振動数が少ない)音になります。
音程が狂って思わず笑ってしまいそう[わーい(嬉しい顔)]になりますが
これがドップラー効果です。
img024.jpgこのドップラー効果を古典的に説明したいと思います。(ⅰ)は観測者が静止していて、音源が動いてきます。この時、振動数は(観測者)/(音源)倍されることは導きませんが、認めてください。(高校の教科書等に説明は載っています。)図のsは音速を表しています。音源が近づくとき音源の速さVだけ届く波長は減ります。そうすると結果として振動数は静止している時に比べて増加します。これがドップラー効果によって音が高くなる古典的な原理です。遠ざかる時に音が低くなる原理も(ⅱ)のように全く同じ方法で説明されます。(ⅰ)(ⅱ)では直線的近づいたり、遠ざかったりする場合を考えましたが一般的に斜めに近づいてくる場合には(遠ざかる場合は分母のマイナスをプラスに変えればOK)(*)のようになります。ここで注目して欲しいことはθ=90°の時はf'=fとなりドップラー効果は起こらないということです。
私も高校生を教える時は大学入試に出るので
二つのものが相対的に近づきも遠ざかりもしなければ ドップラー効果は起こらない
と、教えますがこれは正確ではありません。
観測者と音源を直線で結び
その方向に少しでも近づいたり、遠ざかったりしたら
ドップラー効果は起きますが
そうでなければ起きないということです。
(でも冷静に考えれば、これは相対性に反しています。
静止している時と動いている時で結果が違うというのは
相対性理論を学んだことのある人なら違和感を感じる筈です。)

ところが、ドップラー効果を相対性理論で補正してやると
これは厳密に言うと間違いであることが分かります。
それが横ドップラー効果と呼ばれる現象です。
これは古典物理学では説明できません。
最後の結論にあるようにしθ=90°の場合もドップラー効果は起こります。
(相対的に近づいたり、遠ざかったりしなくてもドップラー効果は起こる)

では高校では全くのウソを教えているかと言えば
そうでもありません。
何故ならβの式(最下段)から分かるように
対象となる物体の速度が光速に近付かない(最低でも一割) 相対性理論の効果がほとんど表れない
からです。
光速は約秒速30万キロです[exclamation×2]
音速でさえ秒速約340mなのです!
音速でやっと光速の100万分の一です!!
音速で飛ぶ飛行機でも相対性理論の効果などほとんど現れません。
ですから、救急車で横ドップラー効果など起こる訳がないのです。
ですから古典物理、すなわち高校で教わるとおりに理解していても
実生活上何の支障もありません。

これから相対性理論によって古典力学を次々に書き換えていきますが
それはあくまでも光速に近くなったときに生じる問題だということを肝に銘じてください。
我々の一般的な生活レベルで考える物理においては
古典物理学で十分に説明がつきます。

この横ドップラー効果を数学的に導くには
相対性理論の二つの式
(第5講ローレンツ変換の最初の①②式です。)
にkx-ωt=k'x'-ω'tを使って式変形をすれば振動数と波長に関する
関係式が出てきます。

次回はいよいよ有名なE=mc*2について説明します。
最後にこれから相対性理論でよく使う式を証明して終わります。
ではまた[手(パー)]
img020.jpg

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